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2025年秋、日本の夜空に特別な天体ショーが訪れます。
2025年1月3日に米アリゾナ州のレモン山天文台の観測で発見された新しい彗星であるレモン彗星(C/2025 A6)が地球に接近し、4等級前後まで明るくなると予測されているのです。
一生に一度の天体イベントとして注目を集めるレモン彗星について、日本での観測時期や方角、そして次回の出現予想まで詳しく解説します。
レモン彗星(C/2025 A6)は日本でいつ見れる?

ピーク観測期間
2025年10月中旬〜11月上旬が、日本からの観測・撮影のベストタイミングです。
特に以下の期間が絶好の観測チャンスです!
▼最注目期間
- 10月18日〜25日頃:10月21日の地球最接近日付近
- 10月末〜11月上旬:11月8日の近日点通過日付近
時期別の観測条件
- 9月中旬〜10月上旬 夜明け前の東北東の低空で、7〜6等級の明るさ。双眼鏡での観測が適している。
- 10月上旬〜中旬 未明から明け方の北東の空に見える。明るさは月初めに約7等、20日ごろには4等まで明るくなるとみられる。
- 10月中旬以降 15日ごろからは、夕方から宵の北西から西の空でも観測できるようになります
レモン彗星(C/2025 A6)は日本のどの方角で見れる?

出典:国立天文台
時期別の観測方角
- 9月後半 明け方、北東の地平線上。やまねこ座からこじし座へ移動し、月末までにおおぐま座へ
- 10月上旬 観測好機は未明(現地午前2時ごろ)。日の出直前に最も高く昇る。探す方角は北東で、北斗七星の東側、おおぐま座の境界付近
- 10月中旬 多くの地域で夕方の空に移ってくる(場所によっては明け方と夕方の両方で見える)。夕方は北西の地平線上(北斗七星の西側)
星座での位置関係
- 初期(9月〜10月上旬):おおぐま座からりょうけん座付近
- 中期(10月中旬):北斗七星周辺
- 後期(10月下旬〜11月):北西の空へ移動
北の空にある北斗七星を含む大きい星座。北斗七星はおおぐま座の一部として有名。
ひしゃく型の7つの明るい星で、おおぐま座の大きな熊の腰からしっぽにあたる部分に位置します。
レモン彗星(C/2025 A6)次に現れるのはいつ?

ジェット推進研究所(JPL)の計算によると、近日点を通過する以前の公転周期は約1,350年であるが、この近日点通過により約1,155年に短縮されると計算されている。
つまり、レモン彗星が次に地球から観測できるのは
次回出現予想:3180年頃
- 現在(2025年)+ 約1,155年 = 約3180年
- 正確には3180年±数十年の範囲内
なぜ軌道周期が変わるのか?
レモン彗星の軌道周期が短縮される理由は、太陽や惑星の重力の影響です。
彗星が太陽系内を通過する際に、特に木星などの巨大惑星の重力による軌道の微調整が起こり、これにより公転周期が約200年短縮されます。
まさに「一生に一度」の天体ショー
約1,155年という超長期軌道を持つレモン彗星。
つまり、今回を逃すと次に地球から観測できるのは約1,155年後の3180年頃となり、文字通り”今しか見られない、しかも割と明るい”という点が多くの天文ファンから注目される理由です。
レモン彗星の名前の由来は?

出典:(Dimitrios Katevainis, CC BY-SA 4.0 , via Wikimedia Commons)
レモン山天文台での発見
2025年1月3日に米アリゾナ州のレモン山天文台の観測で発見された新しい彗星であることから「レモン彗星」と名付けられました。
発見時の経緯
興味深いことに、当初は小惑星だと考えられていたものの、その後の観測で彗星であることが判明しました。
正式名称は「C/2025 A6 (Lemmon)」で、Cは非周期彗星、2025は発見年、A6は発見順序、そしてLemmonが発見地の名前を表しています。
実は8つ以上存在する「レモン彗星」
レモン彗星(”Lemmon”)の名前が付いた彗星は、C/2025 A6だけではありません。
これまでに少なくとも8つ以上発見されています。
これは、アリゾナ州の「マウントレモン天文台」や「マウントレモンサーベイ」プロジェクトによって発見された彗星に「Lemmon」の名前が付されているためです。
▼主要なレモン彗星一覧(一部抜粋)
彗星名 | 発見年 |
---|---|
C/2009 S3 (Lemmon) | 2009年 |
C/2011 N1 (Lemmon) | 2011年 |
C/2012 F6 (Lemmon) | 2012年 |
C/2012 K8 (Lemmon) | 2012年 |
P/2015 Y2 (Lemmon) | 2015年 |
C/2023 H2 (Lemmon) | 2023年 |
C/2023 H5 (Lemmon) | 2023年 |
C/2025 A6 (Lemmon) | 2025年 |
なぜこんなに多くの「レモン彗星」があるのか?
彗星の命名規則では、発見者名(発見プロジェクト・天文台名)で命名されるため、マウントレモン天文台で発見される彗星には毎年のように「Lemmon」の名前が付けられます。
つまり、2025年に話題となっているC/2025 A6 (Lemmon)は、数あるレモン彗星の中の最新の一つということになります。
他にも複数のLemmon彗星が存在しており、その数は今後も増える可能性があります。
レモン彗星(C/2025 A6)観測ガイド

観測に適した条件
▼必要な機材
- 肉眼観測:10月下旬の最も明るい時期(4等級前後)
- 双眼鏡:7倍〜10倍程度で全期間を通じて観測可能
- 望遠鏡:詳細な構造や尾の観察に適している
▼観測場所の選び方
- 光害の少ない暗い場所
- 北東〜北西の空が開けた場所
- 地平線が低い場所
観測のコツ
▼時間帯
- 明け方観測(9月〜10月中旬):日の出1〜2時間前
- 夕方観測(10月中旬以降):日没後の薄暮時
▼目印となる天体
- 北斗七星を基準にした位置確認
- 明るい惑星(金星、木星)との位置関係
- 一等星との位置関係を活用
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撮影のポイント
▼カメラ設定
- 三脚を使用した長時間露光
- ISO感度:1600〜6400程度
- 露光時間:15秒〜数分
- 広角〜中望遠レンズでの撮影
撮影タイミング 特に、10月21日の地球最接近日付近(10月18日〜25日頃)と、11月8日の近日点通過日付近(10月末〜11月上旬)が第一の撮影チャンスです。
まとめ
レモン彗星(C/2025 A6)は、2025年10月を中心とした数週間、日本全国で観測できる貴重な天体現象です。
特に10月中旬から下旬にかけては4等級前後まで明るくなり、条件が良ければ肉眼でも観測可能となります。
▼観測のポイント
- 最適期間:2025年10月中旬〜11月上旬
- 観測方角:北東(明け方)→北西(夕方)へと移動
- 明るさ:最大4等級前後(双眼鏡推奨)
- 次回出現:約1000年以上先
“今しか見られない、しかも割と明るい”この特別な天体ショーを、ぜひこの機会にご自身の目で確かめてみてください。
一生の思い出となる素晴らしい体験となることでしょう。
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